弁天堂

「増運弁財天」
弁財天は法成就池のほとりに祀られ
財宝を授けてくださいます。
水音が弁天様の奏でる
琵琶の音色に聞こえると伝えられます。
お姿は、二臂(腕が2本)の座像で、
手に宝剣と宝珠をもっておられます。

弁天堂の拝殿屋根瓦には弁天様の眷属神として
鯰(なまず)が彫られています。
正面の頂上部には、池の水流を泳ぐナマズ瓦、
下り棟の先の四隅にも、小さなナマズの瓦があります。

神泉苑の弁天堂は江戸時代から境内の東南にあり、
元文2年(1737)や安永9年(1780)の境内図では、多宝塔(二重塔)のそばの池中に社殿が
ありました。
天明の大火(1788)で堂舎が焼失したとされ、
現在の弁天堂はその後再建されたものです。

平成28年の弁天堂修復工事の際には、鬼瓦から
「瓦師 神屋金兵衛 文政十年(一八二七)」
の銘が確認されました。
また、文政10年に造立されたという棟札も見つかっています。
なお、西側にあった多宝塔は大日如来を祀っていましたが、
同様に天明年間に焼失し、再建はされず、
跡地に護摩堂が建てられていたようです。