恵方社 歳徳神
歴史に見る神泉苑の恵方社
明治22年に神泉苑に奉納された絵馬には、
当時の境内各社と参詣者が亀を池に放している姿が描かれています。
それによると、境内南西に恵方社があったことが分かります。
恵方の決まる法則
陰陽道の考えに基づいて決まります。毎年変わる干支は十干・十二支の事ですが、この十干が基本になっています。
甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)
陰陽五行説では、十干は、五行(木火土金水)という要素に二つずつ割り当てられ、
さらに陽(兄)と陰(弟)に割り当てられています。
この五行の要素は、それぞれの素質から五つの方角と結びつきます。
木は東、火は南、土は中央、金は西、水は北となります。
陰陽の陽(兄)である 甲丙戊庚癸の恵方は、それぞれ東、南、中央、西、北となります。
ただし、中央は礼拝が難しいためか、南方に割り当てられます。
しかし、陰陽の陰(弟)である、乙丁己辛癸は、そのまま五行通りではありません。
干合(かんごう)の法則に基づき、五個離れた兄と結びつき、その方角となります。
甲・己の年の恵方 = 東方
乙・庚の年の恵方 = 西方
丙・辛の年の恵方 = 南方
丁・壬の年の恵方 = 北方
戊・癸の年の恵方 = 中央(南方)
そして二十四山(子癸丑艮寅甲…)という二十四方位に当てはめられ、
例えば「甲の年」であれば東から15度北よりの、「寅卯の間」という恵方となります。
なお、令和2年の十干は庚(かのえ)で、 恵方は「申酉の間」です。