桶取 おけどり

◇登場人物…照子(てるこ)、大尽(だいじん)、本妻(ほんさい)
 
不幸にして生まれながら左手が三本指であった照子は、来世での幸福を願い尼ヶ池で仏に供える閼伽(あか)の水を汲み、壬生寺の地蔵尊に参詣する。たまたま出会った大尽は照子を見そめ、ついに親しくなる。
二人が仲良く踊っていると、大尽の妻に見つかり大げんかとなる。大尽は先に照子を逃がし、妻を振り切り照子のあとを追って去る。残された妻は自分の不器量をなげき化粧をするが、大尽の心を呼び戻すことはできなかった。